キラキラ大島雑記帳

インディーズレーベル『キラキラレコード』代表、大島栄二の日記です

党首討論

 いやあ、馬鹿げている。2大政党が15年ほどの時を経てようやく目の前というところまで来ながら、このバカらしさ加減はどうなんだろうか。

 麻生さんは低レベルなワイドショーと同じような追求(しかもその低レベルなワイドショーさえももはや話題として取り上げようとしていない)しかしないし、人の悪口、揚げ足取りしかしようとしない。一方で鳩山さんは友愛社会を築きたいという抽象論でしか未来を語れず。この2人の討論で盛り上がるわけがないと思った。

 党首討論が行われた夜のテレビでは、久米宏の番組に田原総一郎がゲスト出演。いやあ、これは面白かった。一級かどうかは別としても、テレビマンと政治家の喋りの面白さというものが同じ土俵ではないことはわかる。しかしこの稀代のテレビマン対決と2大政党の党首同士の対決との間にこれほどまでも面白さの差があるのかというのは、ちょっとびっくりする。

 だが、僕らは党首討論に面白さを望んではいけないのだ。まずは2大政党での政権交代があるかもしれないという可能性を感じられる状況があるという事実を喜ばなければいけない。交代の危機感があるから第一党の党首が当日の全国新聞で全面広告をうって第二党の政策バッシングという形振り構わずの必死さを見せているのだ。そういう必死さにある人は、本当は公の場での対立なんてしたくないにも関わらず、こうやって党首討論という場が制度として設けられているが故にこうして僕らはそれを見ることが出来るという機会を喜ばなければいけない。

 見るものがエンターテイメントであるかどうかは二の次なのだ。そう、国立公園に設置されたウェブカメラをリアルタイムで見ているようなもので、たまたま動物が現れてくれれば面白くもなるだろうが、木々や野山がただそこに横たわっているだけの映像しか映らないのが普通の状態なのである。画面が動かなくて面白くないからウェブカメラを撤去してしまえというのは間違っている。同じように、党首討論も面白くないのが普通だと考えればいいのかもしれない。毎回毎回面白くない討論(?)が繰り広げられて、みんな飽き飽きしているような時に、ふと面白い論戦が起きることを期待するだけだ。面白くなくとも、その機会が設けられているという事実に感謝してみたい。そのくらい、今日の討論は面白くなかった。