キラキラ大島雑記帳

インディーズレーベル『キラキラレコード』代表、大島栄二の日記です

すきま産業でいいじゃないか

 Twitterではいろいろな方にフォローしていただいて大変ありがたい。そしてみなさんのプロフィールなどを眺めていると、そこにいろんな人生があるなあと、面白かったり感動したりしている。

 で、今日はそんな中でもアイドルの話。

 アイドルというとAKBやももクロなのだろうが、その他にもいろいろといる。まあ僕の知識で知っている範囲のアイドルはもう超メジャーな部類であって、ロック界のインディーバンドのような存在がアイドルにもあるらしい。今日フォローしてもらった方のプロフィールを少しぼかしながら紹介したい。

 「音楽と鉄道とロリータ服をこよなく愛する、「ロリ鉄歌手」です」

 なんだそれは!確かに鉄道にもマニアはいるし、ロリータにもマニアはいるだろう。そういうのを併せ技でファンを獲得しようというのか。なんとも凄まじい努力だ。そして次。

 「食べたい痩せたい、でもやっぱり食べたい!歌って踊れる清純派グルメぽっちゃりアイドルです」

 うーん、どっちなんだ。しかし歌って踊れるグルメぽっちゃりというのと清純派がどうも頭の中で結び付かない…。

 でも、僕はそういうのをバカにしているのではないのだ。むしろ尊敬している。アイドルというのはやはりファンがいて、キャーキャーいわれないと意味がないのだろうと思う。だからファン獲得が大命題になる。それでAKBの向こうを張って踊って歌っているだけではもうとても勝ち目がない。だからピンポイントでファンを獲得するため、独自の土俵を作ろうとしているのだと思う。AKBの土俵に乗るのではなく、自分の土俵を作って、そのカテゴリの中ではナンバー1だと。そういう勝負の仕方をしているのだろうと思う。多分。

 そういうの、エラいなあと思うのだ。僕が仕事をしているバンドたちはどうかというと、もちろんアグレッシブにファン獲得に努力している人も少なくないけれども、そうでない人も多い。彼らはスタジオに入って音を出して、ライブと称して友達を呼んで騒ぐ。CDなんて売れなくてもいいし、ライブも自分たちが赤字にならなければいいし、赤字になっても自腹で済まして平気そうな感じで打ち上げにいったりしている。まあ全員がそうではないけれど、バンドはそこで完結しているんだろうと思う。ステージから見ると客席は暗いし、さらに歌いながら目を閉じているボーカリストも多いし、客がいなくてもその音楽活動は成立しているのだろう。いやもちろんそういうのは少数派だし、少数派だと信じたいし…。

 ともかく、アイドルをやろうとしている人たちの必死の想いが肩書きに現れていると思う。あまちゃんの「地元アイドルGMT」というのもなんだろうと思ったが、現実は「ロリ鉄歌手」に「グルメぽっちゃりアイドル」だ。確かにそういわれると「どんなアイドルなんだろう?」って興味が湧く。どんどんすきまを狙って自分のポジションを獲得しようと懸命だ。バンドマンに「君たちのセールスポイントは?」「キャッチフレーズは何?」と聞いても「?」ということも多い。それでは興味も湧かないよ。音楽を聴いてもらうことさえできないよ。

 ま、アイドルとバンドを一概に比較するのはどうかという気もあるにはあるが、アイドルにも見習うことはあると思うのですよ。それはバンドだけじゃなくて普通の仕事をする僕のような人としてもです、ハイ。