キラキラ大島雑記帳

インディーズレーベル『キラキラレコード』代表、大島栄二の日記です

土曜午前の公園にて

 土曜午前。午後から台風が来るとか、温帯低気圧に変わるとかいろいろな情報が錯綜する中、とりあえず午前は雨降らなそうだったので1歳2ヶ月の息子をベビーカーに乗せ近所の公園へ。

 その公園には水遊びができる施設がある。奥さんからは息子が「そこで水遊びすると喜ぶ」と聞いていたので、そこを目指す。奥さんはそのための準備をすべて整えたバッグを渡してくれた。準備というのは、水遊び用のオムツと、遊び終わった後に交換する普通のオムツ。オムツ替えに必要な一連のグッズと、着替え。喉が渇いた時用の麦茶入りマグボトル。あ、これ全部子供用。大人の僕はなんとでもしろという放任主義。

 で、着くやいなやさっと水遊び用オムツに替え、息子を水遊びスペースに放り込む。というか連れて行ってそっと置く。傍らで見張りながら、何かあったらさっと助けられるようにしているわけだが、まあそんなことはそう簡単には起こらないので、結局は水遊びをしている息子を眺めるという案配に。

 するとそのスペースに親子がやってくる。いや、人気の公園なので他の親子もたくさんいる訳だが、そこにある親子がやってきたということ。ちょっと美人OL風のメイクバッチリ母と3〜4歳くらいの娘。娘は「ねえここ入っていい?」と訪ねる。しかし母親「着替え持ってないからダメ」と。そう言いながらも手と目はスマホに釘付けで、フリック入力の最中らしい。でも娘も食い下がる。「ねえねえ、足つけるだけだから。サンダルだし」と。すると母親あっさりと認める。で、娘は堂々とサンダルのまま水の中へ。

 僕は別にその母子に注目している訳ではなく、基本は自分の息子の世話。水遊びスペースはそれなりに広く、最初に入った場所よりももう少し深めの場所に息子を連れて行き、先ほどよりも危険回避に神経を集中させながら、遊ぶ。僕自身それなりに濡れる。

 で、その母子も遅れてその深めスペースに移動。娘はかぶっていた麦わら帽子を水の中に落下させ、母が「何してるの!どうするのこれ、もう!」と怒鳴る。でも娘意に介せず遊び続ける。

 僕ら父子は程よいタイミングで切り上げ、ベビーカーを置いている場所に戻り着替え。濡れているランニングを脱がせ、身体をタオルでよく拭いて、オムツを普通のに交換し、服を着せる。その隣で見知らぬ(まあ全員見知らぬのだが)お母さんグループが会話していたのが耳に入ってくる。「アレ見てよ、女の子裸じゃない。あれは危ないわ〜」と。さっきの母子の娘が既に裸で水遊びをしていた。なにが危ないのかは俄には判らなかったのだが、どうやらロリコン不審者がどこにいるかも判らないし、盗撮や性犯罪の引き金になりかねないと。まあそこまでかという気もしないではないが、まったく有り得ないということも言い切れない。うちが息子だからそこまで想いが至らないだけで、娘の親だったらその危険トークに完全に頷いていたかもしれない、と今は思う。

 でもまあ、あの母親はちょっとなあと思った。せっかく公園に遊びに来ているのに娘と関係ないスマホいじりに熱中しているし、娘の「水に入って遊びたい」要求に対し、いちいち「ダメ」的なことを言いながらも結局あっさりと、かなり簡単に折れてしまっているし。

 じゃあお前はどれだけ完璧な父親なんだと問われれば、「いや、不完全です、ダメな部分の巣窟です」と白旗あげて降参するしか無い程度なんだけれども、それでもまあ、こういう交流(盗み聞き???)等を経て、他人の振る舞いに対していろいろ考えたりすることで、ダメダメ新米父親は精進していくしかないんだろうなあって思ったりした。

 でもまあ、子供と公園に行ってオムツ替えてあげたり出来るだけでもけっこうやってる方なんじゃないかって、心の底では自分で自分を褒めてあげたい気持ちではある。ま、他人に褒めてもらわずとも、息子が父子だけの公園遊びで楽しそうにしてくれて笑顔で抱きついてきてくれるだけでいいんだけれども。ただ、水遊び中のびしょぬれ状態でなぜ笑顔で抱きついてくるのか息子よ。なんかの抗議で、一種の罰を与えようとしているのか息子よ。なんて思ったりもしないではない。

 いや、そんなことは本当は思ったりしてないなオレ。