キラキラ大島雑記帳

インディーズレーベル『キラキラレコード』代表、大島栄二の日記です

20周年ベスト解説〜「ウラギネス」ダイナマイトC

(上記バナーをクリックすると本日の曲をお聴きいただけます) 20周年を記念した3枚組ベストアルバムをリリースすることになった。毎日、1曲ずつ紹介しています。1日限定で楽曲をアップしていきますので、よろしければお聴き下さい。(曲は毎日変わります。次の解説ブログがアップすると、このページの楽曲も新しいものに変わってしまいますのでご了承下さい。) 11. 「ウラギネス」ダイナマイトC(2000年「二死満塁」KRCL-34)  大阪からやってきた彼らも超個性的だった。ボーカルの上野くんはお客さんとコミュニケーションを取ることが好きで、毎回のように客席に降りては拍手を強要するというパフォーマンスをしつこく展開していた。そういうパフォーマンスは往々にして敬遠されてしまうのだが、彼らの場合は受け入れられていたというか、逆に求められるようになっていた。一種の売りといってもイイくらいだった。お化け屋敷に行ったら脅かしてもらわなきゃつまらないように、彼らのライブでは上野くんにしつこく迫られないとつまらないような雰囲気があった。度を超すと快感につながるということもあったのだろうし、何より彼らのキャラクターがそれを許していたように思う。  上手いとかでは決してないのだけれど、なんか奥底には確実になにか魂を持っているようで、そういうのが僕はとても好きだった。僕自身も度を超した彼らの押しを快感に感じていたのかもしれない。熱意にほだされたのかどうか、アルバムを2枚、シングルを2枚、ビデオを1本リリースして、結果的には大赤字。なんとかして欲しい。彼らだって、不用意にワンマンライブを決行し、全国ツアーも決行し、絶対に普段は着ることのない衣装を特注し、大赤字だったのだろう。メンバーは1人抜け、1人抜け、やがてほぼ解散状態になり、仕舞いには女性ボーカルを加入させ、当初とはまったく違った形になってしまった。それでも続けていく以外になかったのだろう。転がる石のように、ライクアローリングストーンだなと思う。  現在、ボーカルの上野(兄)くんは梅田のアムホールで、ドラムの上野(弟)くんは心斎橋RUIDOでそれぞれブッキングをやっていて、そちらの方で今もお世話になっている。徐々に恩返ししてもらっているような感じなのかもしれない。リリースが途切れるとどうしてもレーベルとアーチストは没交渉になってしまう宿命だけれど、彼らのように今でも関係があるというのは貴重だし、彼らの人間味とか魂のひとつの証しなんだと思う。  ダイナマイトCの代表曲は「SOS」という曲で、大阪に行ってグリコのナンパ橋や大阪ドームでPVを撮影したりした。が、僕はこの「ウラギネス」の方が好き。上手くはないけど、聴いていて「そうだ、そうだ」って心の中でうなづいたり出来る、ある種心の名曲。