キラキラ大島雑記帳

インディーズレーベル『キラキラレコード』代表、大島栄二の日記です

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     天空快が5日からツアーに出ている。5日の名古屋から始まり、今日10日は大阪でのライブだ。(以下、ツアー日程) 「初恋という名の喫茶店」レコ発tour ◆01.05(mon)名古屋Tight Rope ◆01.06(tue)京都MUSE ◆01.08(thu)京都 都雅都雅 ◆01.09(fri)広島NAMIKI JUNCTION ◆01.10(sat)大阪RUIDO ◆01.11(sun)神戸チューリップハット ◆01.12(mon祝)大阪HARD RAIN ◆01.13(tue)神戸MERSEY BEAT ◆01.14(wed)神戸Art House ◆01.15(thu)岡山CRAZY MAMA 2nd room ◆01.16(fri)心斎橋FAN J ◆01.17(sat)心斎橋AtlantiQs ◆01.18(sun)京都VOXhall ◆01.19(mon)名古屋DAYTRIP ◆01.22(thu)新宿HEAD POWER  2007年の夏ツアー39箇所に較べると軽めの日程だが、それでも青春18きっぷで移動するという大変さは変わらない。のんびり気ままな旅ならばそれもいいだろうけれど、ほぼ毎日、次の会場への入り時間が決まっているわけだから、そこに行くためには時刻表との戦いであり、綱渡りでもある。そうまでしても行かなければならないのは、ミュージシャンとしての性でもあるし、昨年末にリリースしたニューシングル『初恋という名の喫茶店』を売らなければという切迫感もある。これが「売る」ということだけでいえば、ツアーを回るよりももっと確実で効率的な方法もあるし、それは彼らも十分承知ではある(さんざん言ってきたから)が、やはり自分で歌って、それを気に入ってもらうということは、イメージとして直感的でもあるし、だから無理をしても行こう、そして行った先で頑張って支持者を増やそうとする彼らの気持ちは良く判る。そしてやはり、彼らがそうやって足で動いて直接接し、ダイレクトにメッセージを伝えていって築いたファンというのは貴重で重要だ。結果的にもネットを通じて彼らを知った全国の人たちとも直接会える機会を作ることになっているし、そういうことをやっていないバンドと較べるとアドバンテージになるのは間違いないだろう。また、なにより彼らの強い気持ちというのがその無茶な行動に出ている。    アルバイトで日々の生計を立てていることを考えると、ツアーに行っている間は出費がかかるだけでなく、収入も途絶えてしまうのだ。ツアー先でCDが売れれば多少は補填されるが、シングルが多少売れても2人分のバイト代をカバーするにはなかなか及ばないのが現実だ。    バンドの価値はあくまで音楽にある。だから音楽に魅力がなければ買う意味はない。それは重々承知ではあるが、それでもなお、まだ売れていないバンドたちのそういう思いと頑張りを是非知ってもらいたいと思うし、もし何らかの形で聴いたりして、「素晴らしい」とまではいかなかったとしても、「まあ悪くない」くらいの感想を持ってもらえたら、ちょっとの寄付という気持ちも含めて購入とかしてもらえればと切に願ったりするのだ。   天空快『初恋という名の喫茶店』です。@YouTube      昨日、有刺鉄線のメンバーが来社。彼らも本日群馬県でのライブに向かうことになっている。桐生市はメンバーの出身地でもあり、完全アウェイということではないが、普段応援してくれるファンではない人たちがいない場所でのライブというのは、やはりバンドマンにとってチャレンジなのである。彼らはドラムがまだサポートでもあり、そういう意味でも地方にライブに行くというのは簡単ではないのだ。    そのライブで売るための新譜、今月21日に発売するニューシングル『忘れな草』が完成したのでそれを会社まで取りに来たというのが来社の目的だった。そこで来月と再来月にも日帰り圏内でのライブへの計画を練った。日帰り圏内を北は仙台、西は名古屋と想定して、その中でどういう動きが取れるのかということを検討した。メンバーは正社員もいるし、契約社員もフリーもいて、その他にサポートドラマーがいる。名古屋までツアーに行って日帰りだと、僕の経験上けっこう大変だ。僕もそれを承知の上で「日帰りだと、名古屋くらいまでか?」とか言っている。キラキラとの話し合いの窓口になっているギタリスト山崎は、メンバー内での調整の大変さを一手に引き受けながらも「そ、そ、そうですね」と言って、グッと飲み込む。調整の大変さを口にすれば僕が「じゃあ規模を縮小しよう」と言うしかなくなるのは彼も判っているし、だからグッと飲み込んで、目的実現に向けて努力しようとするのだ。そもそも音楽で成功しようなんてのは大変な目標に決まっているのだ。普通の難しいこと程度に音を上げている場合ではないのだ、本来は。かといっていきなり「来月武道館ライブを実現しよう」なんてことにチャレンジしようと言っているのではないのだから、山崎がグッと飲み込んで先に進もうとしている姿勢は正しい。それによって周囲を調整する大変さを抱えるくらいのことでへこたれている場合ではないのだから。   有刺鉄線『忘れな草』です。@YouTube